厨房機器を相場以上で売却するコツは?

飲食店の閉店やリニューアルは、オーナー様にとって非常に大きな決断です。内装の解体費用や原状回復費用など、何かとコストがかさむこの時期、これまでお店を支えてきた「厨房機器」が、実はその負担を大きく軽減してくれる重要な「資産」になることをご存知でしょうか。

愛情を込めて使い込んできた業務用冷蔵庫やコンロ、シンク。これらを適切に売却できれば、閉店コストを補填したり、次の事業への運転資金にしたりと、未来に向けた大きな力になります。

この記事では、厨房機器の価値を1円でも高く評価してもらうために、多くのオーナー様が見落としがちなポイントから、プロが実践する具体的なテクニックまでを徹底的に解説します。

なぜ厨房機器は高く売れるのか?その理由を理解する

テクニックの前に、まず「なぜ厨房機器は中古でも価値が高いのか」を知っておきましょう。この理由を理解することが、後の業者との交渉を有利に進めるための土台となります。

1. 圧倒的な新品価格の高さ

業務用冷蔵庫が50万円、スチームコンベクションオーブンが200万円など、厨房機器の新品価格は非常に高額です。そのため、開業コストを少しでも抑えたいと考える新規出店者からの中古需要が極めて高く、安定しています。

2. プロユースの優れた耐久性

家庭用の製品とは比較にならないほど堅牢に作られているのが業務用厨房機器です。ステンレスの厚み、モーターのパワー、シンプルな構造。これらにより、適切なメンテナンスを行えば10年以上現役で活躍できるものが多く、中古市場でも価値が落ちにくいのです。

3. 特定メーカーの絶大なブランド力

中古厨房機器の世界には、絶大な人気を誇る「トップメーカー」が存在します。

  • ホシザキ
  • マルゼン
  • タニコー
  • 大和冷機工業
  • フクシマガリレイ(旧:福島工業)

これらのメーカーの製品は、信頼性・性能ともに評価が高く、中古市場でも指名買いされるほど人気があるため、高価買取が期待できます。

査定前に実践!厨房機器を高く売るための「5つの鉄則」

ここからが本題です。査定士が現場に到着する前に、一手間かけるだけで査定額が大きく変わる可能性があります。ぜひ実践してください。

鉄則1:できる限りの「徹底清掃」

査定額は、第一印象で大きく左右されます。長年の油汚れや焦げ付き、サビは大きなマイナスポイントです。「どうせプロが清掃するだろう」と思わず、感謝を込めて最後の清掃を行いましょう。

  • ステンレス部分: 専用のクリーナーや中性洗剤で油汚れを落とし、乾いた布で拭き上げるだけで輝きが蘇ります。
  • ガスコンロ: 五徳やバーナーキャップを取り外し、焦げ付きをスクレーパーや重曹でできる限り落とします。
  • 冷蔵庫・冷凍庫: 内部の食材をすべて出し、パッキンのカビや汚れを丁寧に拭き取ります。外側のホコリや手垢も忘れずに。
  • フィルター類: 換気フードやエアコン、食洗機のフィルターの目詰まりを掃除しておくだけで、査定士の心象は格段に良くなります。

この清掃の手間を惜しまないことが、数万円単位の査定額アップに繋がることも珍しくありません。

鉄則2:「型番」と「年式」を正確に伝える

「型番」と「年式」は、査定における最も重要な情報です。これが分かれば、業者側も事前に正確な相場を把握できるため、より的確な見積もりを提示できます。

  • 確認方法: ほとんどの機器には、銀色の「銘板(めいばん)シール」が貼られています。冷蔵庫なら扉の内側、コンロなら本体側面など、探してみましょう。
  • 伝えるメリット: 電話やメールでの問い合わせ時に、この型番と年式を伝えるだけで、スムーズでスピーディな仮査定が可能になります。

鉄則3:付属品は「すべて」揃える

「これくらい無くても…」と侮ってはいけません。付属品の欠品は、確実に減額の対象となります。

  • 具体的な付属品の例:
    • オーブンの天板(棚網)
    • 食洗機のラック
    • フライヤーの仕切り板や油切り網
    • 製氷機のスコップ
    • 取扱説明書、保証書

購入時に付いてきたものは、すべて揃えて査定に臨みましょう。

鉄則4:動作確認は必ず行う

「昨日まで問題なく使っていたから大丈夫」と過信せず、査定の直前に改めて動作確認を行いましょう。

  • 冷蔵庫: 電源を入れ、きちんと冷えるか(コンプレッサーが作動するか)確認。
  • コンロ: すべての口で点火するか、火力の調整はできるか確認。
  • その他: 異音はないか、エラー表示は出ていないか。

万が一不具合がある場合は、正直に申告しましょう。隠して売却すると、後々のトラブルに発展する可能性があります。正直に伝えることで、修理可能な範囲であれば、買取価格は下がっても取引自体はスムーズに進みます。

鉄則5:「まとめて」売却を依頼する

冷蔵庫1台、コンロ1台と単品で売るよりも、「厨房一式まるごと」で売却する方が、トータルの買取金額は高くなる傾向にあります。業者にとっては、一度に多くの商品を仕入れられ、運搬効率も上がるため、その分を買取価格に上乗せしやすいのです。

シンクや作業台、吊戸棚、調理小物に至るまで、「この厨房にあるものすべて」という形で相談してみましょう。

【メーカー別】特に高価買取が期待できる厨房機器リスト

  • ホシザキ: 製氷機、業務用冷蔵庫・冷凍庫。中古市場の王様的存在。
  • マルゼン、タニコー: ガスレンジ、フライヤー、餃子焼き器、シンク、作業台など。板金物(ステンレス製品)に強く、幅広い製品で人気。
  • フクシマガリレイ、大和冷機工業: 冷蔵・冷凍設備。ホシザキと並ぶ冷却設備のトップブランド。
  • ラショナル、フジマック: スチームコンベクションオーブン(スチコン)。高機能な製品は、型落ちでも高額買取の代表格です。

まとめ:愛情を注いだ厨房は、価値ある資産です

飲食店の経営は、決して平坦な道ではありません。その道を共に歩んできた厨房機器たちは、単なる「道具」ではなく、オーナー様の汗と努力が染み込んだ「戦友」とも言えるでしょう。

その価値を正しく評価してもらうために、今回ご紹介した「清掃」「情報確認」「付属品」「動作確認」「まとめて売る」という5つの鉄則を、ぜひ実践してみてください。ほんの少しの手間が、次のステップに進むための大きな力になるはずです。

宮城県で飲食店の厨房機器買取をご検討の際は、厨房機器の専門知識と豊富な買取実績を持つ弊社にぜひお任せください。店舗まるごとの一括査定も大歓迎です。お客様の大切な資産の価値を最大化するお手伝いをいたします。

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